2017/3/28 子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeに対し治療は有効なのか


子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeに対し治療は有効なのか、を検討した論文(10.3168/jds.2010-3757)を読んだ。彼らの一連の論文群の一つだ。

産後に検査を2回して、細胞学的子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeの評価を行っている。治療は抗生物質とPGF2aを用いた。また、高リスク群(双子、難産、胎盤停滞)と低リスク群間の検討もしている。

抗生物質は高リスク群において、2産以上または胎盤停滞の無かったものでわずかーに子宮炎の罹患率が減っているのみであった。purulent vaginal dischargeは抗生物質投与で減っていた。一方、PGF2a投与では効果に差が見られなかった。

むしろ、細胞学的子宮内膜炎とpurulent vaginal dischargeは2/3くらいが自然と治っているので、そもそもこれらの状態にならないよう、分娩・産後の管理に気をつけるのが重要なのであろう。

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2017/3/13 白帯病


今年の第58回獣医師国家試験はすでに問題と解答が掲載されている。中をのぞいて見ると、ビックリした事に蹄病が連番の問題で出題されていた。現場の病気が出題されるのは良い事だと思った。


ところで、先日の蹄病治療の写真を載せます。写真2のように蹄底の真皮が不整に増生していたが、原発部位は白帯からのようであった。症状は急に出たそうだが、かなり前から罹患していたものと推測した。


写真1. 治療前の左前肢の蹄面


写真2. 治療後の左前肢の蹄面

2017/3/25のアウトプット・論文掲載されました


Essential reproduction第9章p170まで
・Estrogenは食欲を低下させ、少しタンパク同化作用があり骨の構造を維持する。また、高血圧に耐えられるよう血液循環器系をの機能を高める。
・Progesteroneはヒトにおいては少し異化作用を有する。Progesteroneは体温調整中枢に直接作用し、基礎体温を上昇させる。
・Progestogenic steroidsは抗不安作用があり、月経周期の終わりにでは不安、興奮そして気分の浮き沈み(月経前緊張症)が起こり得る。
・Progesteroneはaldosteroneと拮抗的な作用を有するので、aldosteroneは代償性に上昇し、Naの保持が起こる。その結果、黄体期の終わりに向かって、Naと水分の保持が起こる。これにより月経前の特徴的な症状(乳房の変化等)が説明がつく。


ところで、アクセプトされていたT. pyogenes乳房炎論文(10.1292/jvms.16-0401)が正式に掲載されました。文献情報は以下です。経産牛のT. pyogenes乳房炎は発見が遅いため予後が悪いこと、牛の重篤度が予後に関わっていることを述べています。興味ある方はお読みください。

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2017/3/23 アウトプット


Essential reproduction第9章p169まで
・膣は発情周期によって構造的な変化がある。多くの種で、estrogenは上皮の体細胞分裂を促し、角質化する。これはげっ歯類で特に顕著で、腟スメアを調べることでどの発情周期か調べられる。この変化の要因のには、腟細菌叢に利用される代謝産物の変化による。これらにより腟分泌物の匂いは変化し、それによって行動学的な変化が生じる。
・腟内における白血球の割合もホルモンの支配を受けており、分葉好中球はprogesterone優位な時期に増加する。


子宮炎、胎盤停滞、細胞学的子宮内膜炎、purulent vaginal dischargeが乳量や淘汰に影響しているかどうかを調べた論文を読んだ(10.3168/jds.2010-3758)。彼らの一連の研究の一つ。
・分娩後20日時点、2産以上の経産牛において、子宮炎では乳量の低下(約3kg)が見られた。胎盤停滞では、2産以上の経産牛において全期間において乳量の低下(約2kg)が見られた。
・子宮炎、胎盤停滞、細胞学的子宮内膜炎、purulent vaginal dischargeはどれも淘汰要因になっていなかった。

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2017/3/21のアウトプット


Essential reproduction第9章p169まで
・子宮頸管もホルモンの支配を受けていて卵胞期に筋肉は弛緩して上皮からも分泌があるが、黄体期にprogesteroneが上昇すると分泌は減り頸管は硬く閉じる。
・子宮頸管粘液は採取して検査ができる。Sperm penetrationではスライド上の粘液を精子が遊泳できるかを評価する。Estrogen投与はこれを促進するが、progesterone投与はestrogen投与していてもこれを減退させる。この作用を利用した経口避妊薬がある。
・Estrogenはムチンの産生を促し、牽糸性が増す。これにより精子は遊泳ができるし、ムチンは病原体を補足しているかも知れない。もしestrogen優位な頸管粘液をスライドに乾かせば、シダ状結晶が観察できる。Progesterone優位な頸管粘液は牽糸性が低く、伸ばしてもすぐに切れる。
・精子が頸管を通過できなければ卵管まで到達できるないので、これらの簡単な検査はとても重要である。